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No.0239 カード名:三平 三平/麦わら帽子/男 パートナー:鮎川 魚紳/黒メガネ/男 レベル:3/攻撃力:3000/防御力:5000 【動物】【水】「ウヒョ~ッ!!」(エントリースパーク) [自] あなたのベンチに《動物》か《水》がいるなら、あなたは相手のフィールドのカードを1枚選び、相手の控え室に置く。 レアリティ:UC 作品名:週刊少年マガジン「釣りキチ三平」
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【検索用 かせにきえる 登録タグ 2018年 VOCALOID か みふる 曲 曲か 殿堂入り 猫アレルギー 音街ウナ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:猫アレルギー 作曲:猫アレルギー 編曲:猫アレルギー イラスト:みふる 唄:音街ウナ 曲紹介 曲名:『風に消える』(かぜにきえる) PVイラストはみふる氏のpixivより『星を眺めて』。 歌詞 (書き起こし) 全てが嫌になって くだらない嘘を積み重ねて 聞こえますか 僕の声を覚えていますか ガラクタに身を沈め 変わらない世界が嫌になって 見えてますか 私の顔覚えていますか 失くしたい嘘があって 隠したい真実があって 影を踏めば闇に消えて行く 誰にも見えない夏の嘘 傷付けあって 涙流して そして別れを告げて 夏が終わる 全て風に消えた 全てが夢に変わって くだらない理想を積み重ね 分かりますか 僕のことを覚えていますか ガラクタを身に纏い 変わらない世界が嫌になって 覚えてるよ 忘れないよ 忘れられないよ 儚い嘘があって 悲しい真実があって 影を踏めば闇に消えて行く 誰にも見えない夏の嘘 傷付けあって 涙流して そして笑い合う日々を 忘れない 忘れられないから 失くしたい嘘があって 隠したい真実があって 影を踏めば闇に消えて行く 誰にも見えない夏の嘘 傷付けあって 涙流して そして別れを告げて 夏が終わる 全て風に消えた コメント さすが、仕事が早い -- 名無しさん (2018-09-08 22 49 42) 新曲いいですね。CD早く出ないかな~ -- ZERO (2018-09-10 18 46 39) 覚えてるよ 忘れないよ 忘れられないよのとこめっちゃ好き -- 恋する乙女A (2019-04-11 19 06 30) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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暗く光のない僕等に希望を与えてくれた 夢の町 様々な人が行き交い出会い別れゆく 嬉しいことも哀しいことも教えてくれたね 楽しいことも苦しいことも教えてくれたね 時には八つ当たりしたね・・・ゴメンネ 歩く人走る人も様々 道も凸凹で噛み合わない所もあったけど 相談しあったね 消えちゃうけど いつまでも僕等の中で 想い出の街はいつまでも存在しているよ 「さよなら」は哀しいけど 僕等の街に「さよなら」言わなきゃね 忘れないさ 消える街 けれどいつまでも永遠な街にGOOD-BY るう
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現れた仇 (エピソードブースター TIGER&BUNNY) COMMAND C-098 緑 2-3-0 C (防御ステップ) 自軍捨て山の上のカード3枚までを見て、その中にある、「特徴 NEXT」を持つユニット1枚を、ユニットのいる戦闘エリアにリロール状態で出す。ターン終了時に、そのユニットを持ち主の手札に移す。 展開 出典 「TIGER&BUNNY」 2011
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麦わらのストロー 探偵博会場の一角、アルセーヌ・ルパン館に展示されていた秘宝の一つ。 一見ただの古ぼけたストローにしか見えないが、かつてルパンがこれによって 相手のトイズを吸い取り倒したという伝説が残っている。 …が、それは間違った伝わり方をした伝説であり、実際は吸うのではなく吹き出すのが正しい使い方だった。 (というかストローにそのまんま「吹く」と堂々と書かれている) 2幕11話にてエリーがコッソリと拝借し、 暴走したブー太が取り込んだ無数のトイズを協力して吹き出し、大量のラードごと放出させた。 尚、トイズを吸い取るという対極の性質を持つ秘宝であるパンドラの壺をシャーロック・ホームズが持っていたが、 この秘宝との関係性は不明。
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「友情ってヤツァ… つき合った時間とは関係ナッスィング!!!」 尾田栄一郎氏の漫画『ONE PIECE』に登場するキャラクター。 秘密組織「バロックワークス」の幹部格「オフィサーエージェント」の一角であるオカマ。 上記の名前は組織のコードネームであり「ベンサム」という本名があるが、この名が紹介で用いられる事はほとんど無い。 また、エージェントは原則として男女二人組で行動し、コードネームは男が「Mr.+番号」、女が「Ms.+曜日や祝日、記念日など」なのだが、 ボン・クレーはオカマのためコンビを組まず(代わりに直属の部下が存在)、男女両方のコードネームを持つ(「ボン・クレー」は「盆暮れ」から)。 『グランドバトル2』*1ではMr.0の方針でコンビを組ませてもらえなかった事が判明。 バロックワークス所属時代のコートの背中部分にはマンガでは「オカマ道」、アニメだと「盆暮れ」。 アニメでの担当声優は同作のジャンゴやフランキーも演じ、 『天外魔境』シリーズや『サクラ大戦』でもオカマキャラを演じていた 矢尾一樹 氏。 代表キャラの一人であるジュドー・アーシタも作中で女装を披露した事があるし 常にテンションが高く、バレリーナのような珍妙な外見と言動が特徴の変人だが、 テロ組織に身を置いていたとは思えない程の友情に厚い人情家。 バロックワークスに身を置いた経緯は不明だが、言動を見る限り組織には打算や保身ではなく本心から忠誠はあった模様。 任務に失敗したMr.3の抹殺を命じられリトル・ガーデンに向かうが、その帰路の途中で麦わらの一味の乗るゴーイングメリー号と出くわし、 お互い敵と気付かずに友人関係になったのがルフィ達との出会いである。 その後別れた後でお互いに敵と知る事になり、アラバスタ王国乗っ取りを阻止せんとする麦わら一味と対立するが、 自身はサンジと激戦の末に敗北。 ボスであるサー・クロコダイルも敗北したため、バロックワークスも解体となり、 自身は辛うじて海軍の縛から逃れ、麦わら一味の船であるゴーイングメリー号を占拠し(実質海軍の捜索から隠した)、 先の奇縁から共に海軍の包囲網を脱出する作戦を持ちかける。 しかし、危険を意に介さずビビとの約束を果たそうとするルフィ達に心打たれたため、 麦わら一味に扮して囮を買って出て、自身の捕縛と引き換えにルフィとビビ達の最後の挨拶の時間を稼ぎ、一味の逃亡に大きく貢献した。 その後は残党捕縛の任務でキューカ島を訪れていた黒檻のヒナと交戦するも彼女の能力で拘束されてしまい、 一味の幹部と入れ替わる形で牢屋に入れられ、脱走を拒否したクロコダイルとMr.1、巻き込まれたMr.3と共にインペルダウンに投獄されたが、 ポートガス・D・エースを助けるために潜入したルフィと予期せぬ再会を果たす。 インペルダウン署長・マゼランに敗れたルフィを獣の襲撃や全身の凍傷に苦しみながらもイワンコフの下へ送り届け、 変身能力を活かしてルフィ達を脱出させた後、再び囮となって単身マゼランに立ち向かった。 以降頂上戦争編が終わっても、マゼランがティーチにやられて重傷という情報こそ出たが、 ボン・クレーの安否については全く描写されず読者をやきもきさせたものの、 新世界編の666話扉絵「インペルダウンLEVEL5.5番地ニューカマーランド新女王ボン様」でついに生存が発覚し、多くのファンを安堵させた。 いずれもボン・クレーがいなければ最悪ルフィが捕まっていたであろう事態であり、 麦わら一味の仲間ではないが、彼らにとっては元敵という立場を度外視して余りある、掛け替えのない友人かつ恩人である。 上記の活躍から今でこそ人気キャラだが、登場当時は批判が多く、 バレエ経験者から「バレリーナはこんな動きしない」、 同性愛者の読者から「こんなコントみたいなオカマいねぇよ」「同性愛者を馬鹿にしている」という声があった (演者の矢尾氏から「実在のモデルがいる」という事実*2が明かされてから、後者の批判は沈静化している)。 なお、ボン・クレーがバレエの基本的な動きもできていないのは、尾田氏がバレエをよく知らないからだそうな。 また、ゲーム媒体ではナミとアルビダの色仕掛けでメロメロになる事から同性愛者ではない模様。 両刀、もしくはTS百合願望なのだろうか? + 戦闘能力 超人(パラミシア)系悪魔の実「マネマネの実」の能力者。 右手で顔に触った事のある人間の顔・体型・声を完全に再現した姿になれる (チョッパーにも変身したが、人間以外もマネられるのか、チョッパーがヒトヒトの実の能力者だからなのかは不明)。 これにより条件さえ満たせば老若男女問わず変装が可能であり、 モンタージュのようにパーツを自由自在に組み合わせる事も可能。 変身は左手で顔に触れれば解除される。 ちなみに「世界一へんな顔」として戦意を喪失させるべく顔パーツを組み合わせたが、鼻がウソップの長い鼻を除きほとんど自前。 逆に自爆して酷く落ち込んだ。 諜報・工作においてこの上なく極悪な能力であり、作戦の際には国王のネフェルタリ・コブラに変身しアラバスタを混乱させた。 戦闘でも相手が情を抱く対象に変身して心理戦で優位に立つ事が可能。 本人の弁によれば、過去に偽物と分かっていても友情により手も足も出なくなった敵がいたらしく、 劇中でもナミに変身して女性に手が出せないサンジに優位に立っていた。 ただし体格や体質まで模倣するため、変身中は自分の技や体術が使えなくなる欠点がある。 また、上記のように意思だけで能動的に変身・変身解除できるわけではなく、 「左頬に何か付いている」と言われてつい顔を左手で触ってしまい、意図せず変身を解除してしまった事も。 なお、新世界編より20年前にこの能力者だった黒炭ひぐらしという老婆は自身の顔を触れずとも変身する事を可能にしていたが、 能力の習熟度を上げれば可能だったのか、覚醒の域に達すれば実現可能なのかは不明。 また、バレエのような動きから繰り出す足技が主体の「オカマ拳法」と呼ばれる体術を体得しており、 麦わら一味の中でも屈指の身体能力を誇るサンジと同格の身体能力を持っている。 しかし前述のようにオカマ拳法は鍛え上げた本人の身体でないと発揮できず、攻撃のたびに戻している。 なお、バロックワークス時代にはコートの肩部分に白鳥の首を据え付け(ちなみに左手側がオス、右手側がメス) これをトゥシューズの先に付ける事で蹴りのリーチを伸ばし、爪先蹴りの貫通力を高めている。 一度ヒナに捕縛された後逃亡した際は3200万ベリーの懸賞金が付いている。 ただし懸賞金の高さ=強さではなく、初頭の手配&格下のMr.3が過去に4200万ベリーの賞金首を仕留めた事もあるという情報や、 インペルダウンで主に5千万ベリー以上の懸賞金をかけられていた犯罪者達が収監される「LEVEL3」に収監されていた事などから、 億越えクラスではないにせよ過小評価した額だったと思われる。 『グランドバトル』シリーズでは『2』『3』『RUSH』でプレイアブルキャラとして登場。 『RUSH』においては麦わらの一味以外の参戦キャラが軒並み船長格・ボス格になっている中、 唯一(あるいは立場上青雉が上司のスモーカーも含めて)の部下格かつバロックワークスから2人目となっている。 MUGENにおけるMr.2ボン・クレー Wenchu氏&Intoxicados氏の製作したキャラが公開中。 主に近接戦を得意としており、4つのコンボルートに派生できる回し蹴りが強力。 超必殺技は跳び蹴り「爆撃白鳥(ボンバルディエ)アラベスク」。 AIもデフォルトで搭載されている。 「ジョ――ダンじゃな―――いわよ―――う!!」 出場大会 「[大会] [Mr.2ボン・クレー]」をタグに含むページは1つもありません。 「男の道をそれるとも 女の道をそれるとも 踏み外せぬは人の道 散らば諸友 真の空に 咲かせてみせよう オカマ道(ウェイ)」 Mr.二・盆暮 *1 余談だが、『グランドバトル2』におけるクロコダイルは「Mr.0 クロコダイル」と表記されている。 本来はコードネームが「Mr.0」、本名が「サー・クロコダイル」であり、通常はこのように併記される事はない。 この表記の仕方だとボン・クレーの例からクロコダイルも実はオカマという事になってしまう。ただでさえ元女性説が囁かれてるのに *2 なんでも矢尾氏が尾田氏とジャンプフェスタで全国を回っていた際、漫画一筋で夜店の世界を知らない作者に見聞を広める機会を与えようと、 矢尾氏が連れて行った九州のオカマバーに(「身バレしない程度に変えている」と前置きされているが)本当にあんなオカマがいたらしい。 この出来事は尾田氏に相当な(悪)影響を与えたらしく、以降の『ONE PIECE』でもパワフルなオカマが度々登場している。 ちなみに、尾田氏はかつてアシスタントを務めた『るろうに剣心』に登場するオカマキャラ「本条鎌足」(こちらは美人。所謂男の娘)の提案者でもある。
https://w.atwiki.jp/svsm_wiki/pages/610.html
No.0239 カード名:三平 三平/麦わら帽子/男 パートナー:鮎川 魚紳/黒メガネ/男 レベル:3/攻撃力:3000/防御力:5000 【動物】【水】「ウヒョ~ッ!!」(エントリースパーク) [自] あなたのベンチに《動物》か《水》がいるなら、あなたは相手のフィールドのカードを1枚選び、相手の控え室に置く。 レアリティ:UC 作品名:週刊少年マガジン「釣りキチ三平」
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あらすじ 学校は、数日後に行われる文化祭の準備で騒がしかった。一年のうちで最も大きなイベントのひとつであるだけに全員の熱の入り様はただ事ではない。まひるのクラスでも委員長の雪奈が中心になってクラスの出し物を決め、その準備に取り掛かっていた。特に優秀なクラス出し物は表彰されるので、どのクラスも熱心だ。 一方、かぐやはといえば、生徒会長になっての初仕事である。この文化祭が終われば引退同然となる天城会長ら旧執行部の指導の下、初めての大役を果たそうと一生懸命になっている。学年やクラス間の調整、先生との折衝など、様々なことが一度に押しよせる。かぐや以外の新執行部のメンバーもキリキリ舞いだ。休み時間もほとんどまひるたちと会話する暇もなく、書き掛けの書類の手を止めては溜息をつく毎日だ。 「月宮さん、ほら手が止まってる!」「はい、済みません」 いつもとは別人のような天城先輩の声が飛ぶ。先輩たちも新人に自身をつけさせようと一生懸命だったのだ。 ダークネスの本拠地では、モークライとガトールが話し合っていた。「ガトール様、これがこの前の実験結果を取り入れた新しい仮面でございます」「敵を確実に仕留めるためには、まず相手の情報を性格に捉え分析することだ」「そうでございますな」「さっそくこの仮面をアンコチョウチョウに使わせてみよう」「はい」 二人がニヤリと笑った。 いよいよ明日が文化祭という時になっても、まひるたちはクラスの出し物の製作に追われていた。思いがけないことが幾つか起こり、材料が不足していることが分かった。「まひるー」と雪奈の声が聞こえる。不足の品物を駅前のショッピングモールまで買いにいってくれないか、という相談だった。他にも誰か一緒に行ってくれる人を探そうとした雪奈をまひるは止めて自分ひとりで行くことにする。誰もが準備で一生懸命だし、買出しの量は一人でもなんとかなりそうな量だ。買出しメモを見ながら廊下を歩いていると、かぐやが彼女の姿を見つけて声を掛けてきた。「まひる、準備は?」「明日までには間に合いそう。私、これから買出しに行くんだ」 かぐやはちょうど一区切りついて休憩を兼ねて教室に行くところだという。そこで、かぐやも一緒に買出しについて行くことにした。 かぐやのマウンテンバイクの後ろにまたがり、まひるたちが駅前へと急ぐ。少しの間だったが、お互いのことを話すことができて嬉しい。かぐやが一生懸命に自分の使命を果たしているのをちょっと偉いと思い、天城先輩と一緒に仕事をしているのは羨ましいと思ったりもした。 そんなうちに駅前のショッピングモールに着いた。ここには大きな文房具の量販店が入っており、必要なものが全部揃っている。メモを見ながら商品をカゴに入れ、レジで精算してお金を払う。「かぐやが居てくれたおかげで早く済んだし、ありがとう」 モール内を歩きながら、まひるがお礼を言う。「だって、クラスの方にはほとんど参加できなかったし、これくらいでも役に立てて嬉しい」とかぐや。 その時だった。モール内の空間がぐにゃりと曲がったような気がした。モールの中にいた人たちが次々に眠るように倒れ、モール全体が闇の空間に転移する。「もしかして、クライナー?」 まひるとかぐやはキュアパストを構える。カードをスラッシュして、変身する。 モール内の空間が急激に膨張し、通路がやたら複雑に迷路のように変わる。「これって体育館の時みたいにクライナーの中に取り込まれたってことなのかしら?」 ナイトが周囲を見回しながら冷静に分析する。「じゃあ、また中から攻撃すればいいのかな?」 サンディが周囲の壁を力任せに蹴ったり、殴ったりしてみる。壁は凹みはするもののドロドロとした何かが吹き出て、元通りになってしまう。貫通はしないようだ。 「とにかく脱出することを考えましょう」 ナイトの提案で二人は、出口を求めて歩き始めた。広場のような所に出ると、眩しいライトが点滅を始め、見ているうちに頭がボーっとなる。サンディがナイトの肩を掴むと突然投げ飛ばした。ナイトも何となく反撃する。二人でもみ合っているうちに広場の隣の通路に転がり込んだ。その途端に意識がはっきりして、何があったのかを理解する。どうやら催眠的な効果のあるライトが仕掛けられていたようだ。 突然、スプリンクラーが噴出してきたり、天井のケーブルが触手のように攻撃したりもした。マネキンたちが一斉にクライナー化して襲い掛かってくる。それらを倒してホッとする間もなく音楽が聞こえてきた。怪しい演歌の歌声だ。あまりの大音響に思わず耳を塞ぐ二人。「すっごい・・・音痴?」「わちきの歌を馬鹿にしたね! もう許さないざんす!」 大音響がさらに響く。ナイトがスピーカーを蹴り壊し、何とか治まる。他の所にあるスピーカーから歌声が聞こえるが、ドアを蹴り壊して別の通路に入った。これで、しばらくは大丈夫だろう。 そんなプリキュアたちの苦戦を見つめている二人の目があった。モークライとガトールだ。二人は、アンコチョウチョウに指示を出しながら、プリキュアの動きに目を配る。「あんたたちの指図は、受けないわさ」と言いつつもアンコチョウチョウはクライナーを操って攻撃するのを楽しんでいるようだ。 「あ、あれって案内板じゃないの?」 サンディが壁にあるプレートに気が付いた。見てみると確かにモールの案内図だ。だいぶ店内の奥に来ているらしい。その時、オレンジたちの声が聞こえたような気がした。「オレンジの声が聞こえなかった?」「そう?」 二人は耳を澄ませてみる。何も聞こえない・・・と思ったが、確かにオレンジの声が聞こえる。オレンジだけでなくて、パープルとピンクの声も聞こえる。 「オレンジ」「パープル、ピンク」 二人が大声で叫ぶとクライナー化したモールの一部がパカッと開いた。中からオレンジとパープル、そしてピンクが現れた。中に入ると開いたところが消える。「どうやってきたの?」「闇の気配を感じて来たレジ」「一部がクライナー化してなかったから、中に入れたプル」「オレンジとパープル連れて来るの大変だったピピ」 一斉に話し出すオレンジたち。「わー、うるさーい」 サンディが怒鳴ってオレンジたちの口を閉じる。 「パープルたちが来てくれてよかったわ。ここを突破するわよ」「「「わかったレジ」パプ」ピピ」 オレンジたちがアドベンタルキーを使ってブレスを呼び出す。ブレスを装着した二人は、必殺技を繰り出す。放たれた必殺技はクライナーの内部に吸い込まれていく。ブレスの発動が激しくなっていくがクライナーの闇に必殺技は吸い込まれ続けている。二人もかなり疲労が見えている。「どうしよう、ナイト・・・このままじゃ」 サンディの不安げな声を聞きながらナイトはあることを思い出していた。 「サンディ、さっきパープルたちが出てきたところよ」 サンディもハッとする。二人がさっき開いた辺りをダブルキックで攻撃する。大きな音がして、外に出ることができた。再度、必殺技を放つと、外からの攻撃はクライナーに充分効いた。たちまちクライナーがうめき声を出し、消滅してゆく。ガトールたち幹部は、その時点で潮時と考えて姿を消していた。クライナーが消え、シャイミーのカードに戻ると周囲は再び賑やかなショッピングモールに戻っていた。 翌日、新生徒会長のかぐやと校長先生の挨拶を皮切りに文化祭が始まった。まひるたちもクラス展示への呼び込みに一生懸命だ。さくらもあさひと一緒にかんばっている。どのクラスが展示で優勝するのだろうか? ストーリー設定メモ (作品内にこんなシーンが欲しいという設定やイラストを記載します) 09.07.29設定 ストーリー構成案の際に出されたアイデア 文化祭の話 クラスの出し物でまひるたちが買出し。ショッピングモールクライナーに遭遇する。クラスメイン、またはかぐやの生徒会メイン? まひる・・・クラスの出し物で奮闘 かぐや・・・生徒会の仕事でまひると離れて奔走 クライナーは、ショッピングモールクライナーです。 09.08.28設定 ストーリー案 第33話の旧校舎のお別れの話も絡めたらどうだろう?(本編にちらっと出る程度で) アンコチョウチョウが、ショッピングモール全体をクライナー化し、それをモークライとガトールが観察(ショッピングモールの警備室内?)している。→プリキュアの弱点を研究する? ショッピングモール内で戦うのはまひる一人? それともかぐやも誘って二人で戦う? まひるの危機に対してかぐやが駆けつける感じ?(かぐやがナイト的立場) まひるを買出しに行かせるなら、クラスメインの方が良いのでは?(戦闘時には関係ないので、どうだろう?) かぐやは会長になったばかりで文化祭の準備に忙しく、まひると擦れ違いになることも多い→かぐやにストレスが溜まる→まひるにショッピングに誘われ大喜び ストーリーの流れ案 文化祭の準備に忙しいかぐや 同じくクラスの出し物準備で忙しいまひる クラスの出し物で必要なものを買いに行く係りになってショッピングモールへ(かぐやも誘われる?) ショッピングモールがクライナーに変化 プリキュアに変身して必死に脱出を図る 最終的に必殺技で突破 文化祭の出し物を見せて終わり まひるのクラスの出し物は?(未決定) お化け屋敷(お化け話が結構あるので、採用しない) 男女逆転喫茶 登場幹部は、アンコチョウチョウです(特別出演として、モークライとガトールも登場します) 登場クライナーは、ショッピングモールクライナーです。 次回予告 まひる「昨日さ、外国人の人と喋っちゃった」 かぐや「凄いじゃない、まひるって英会話できたのね」 まひる「いやー、残念ながら日本語だったの」 かぐや「なんだ……で、何しゃべたの」 まひる「かぐやの家までの行き方だよ」 かぐや「ぎくっ」 ま&か「冒険! プリキュアデイズ、『リズ台風がやってきた! やぁやぁやぁ』」 まひる「ピカピカ輝き見つかるかも!」 まひる「あーあの人。ほら校庭で叫んでる人だよ」 かぐや「きゃー、ここには来ないでって言ったのに!」 第34話のタイトル候補 「大忙し! 文化祭準備には危険がいっぱい」 「クライナー迷路からの脱出! まひるとかぐやのお使い」 「波乱の予感! 文化祭準備は大忙し」 「おつかいは危険がいっぱい? 迷子のまひるとかぐや」 「波乱の予感! 文化祭準備は大迷宮」 「大迷宮(ラビリンス)の罠! おつかいは危険がイッパイ?」 から話し合いで「波乱の予感! 文化祭準備は大忙し」が選ばれました。 第34話の話合いの際に出された全体の設定メモ 09.08.31設定 夏休みの宿題の状況は? まひる…計画を立ててやりそうだが、結局かぐやに頼る? 則子…最初の一週間で全部やってしまい後は遊びまくる 美香…計画を立ててきちんとやる 朝顔の観察日記とかつけてそう 雪奈…宿題なんかとっととやって夏期講習にレッツゴー! かぐや…得意科目はさっさとやるけど、苦手科目はギリギリまで放置 あさひ…お姉ちゃん、教えてあげるよ さくら…あさひー、ここが分からないのー!!
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第246話:偶然と勘違い、そしてすれ違い 静かな海を前に、ティーダは膝を抱えていた。 岩場の影で、ずぶ濡れの身体をぶるぶると震わせていた。 ――と言っても、別に寒いわけではない。 薄着だし、海水で濡れているし、火にも当たっていないのだし、真夜中だし、確かに寒いことは寒いのだが…… 彼にとってそんなことは大した問題ではないし、寒さなど気にしていられる状態ではなかった。 彼を震わせているのは、不安。 頼れる仲間も、知り合った人も、話し合える相手もいない……そんな孤独感。 殺されるかもしれない、逃げられないかもしれない……そんな恐怖感。 それらがない交ぜになって、彼を苛んでいた。 数時間前の話だ。 その頃、ティーダは一人で森を歩いていた。 さすがに真夜中に山越えをする気は無いし、見晴らしのいい平野で野宿をする気もない。 今日は適当な場所で休んで、夜明けになったらレーベの村にでも向かってみようか…… そんなつもりで南西方向に進路を取り、歩いていた。 そして彼は、木立の向こうに一人の少女の姿を見た。 栗色の髪が少しだけエアリスを連想させたけれど、彼女よりずっと若い…… 自分よりも年下に見える少女を見かけた。 声を掛けようと思い、彼は片手を上げた。 けれど声を出す寸前、それに気づき――そのまま動けなくなった。 彼女の足元にあった、脳天を銃で撃ちぬかれた男の死体。それを見つけてしまったから。 少女はティーダに気付いた様子もなかった。 良い物を見つけた、と言わんばかりににこにこ笑っていた。 無邪気で明るく、純粋で愛らしい、太陽のような笑顔で笑っていた。 そして彼女は、死体の傍に落ちていた変わった鞭を手に取った。 ティーダは少女の挙動を見ながら考える。 (銃を持ってる様子もないし、あんな風に笑える子が人殺しだとは思えないッス…… あの子があのオッサンを殺したってワケじゃなくて、オレみたいに通りがかって死体を見つけただけなのかも…… うん、きっとそうッスよ。そうに違いないって。 心細くて、武器を漁ってるだけだって……うん、そうに決まってる) だからティーダは、気を取り直し、改めて声を掛けようと一歩踏み出した。 ――その時だった。 少女が鞭を振るって、死体を打ち据えたのは。 (くぇdfrtgyふじこpl;@㌧△㌦■ラ㍑◎!?) ティーダの、声に出ない悲鳴にも気付かず、彼女は手を振り続ける。 風を切る音、鈍い音、衣服が裂かれる音、肉が弾け骨が砕ける音。 死体の原型が無くなりかけたところで、少女は手を止め、鞭をまじまじと見つめた。 「この破壊力……やっぱり本物のグリンガムの鞭だわ! あたしってばラッキー!」 場違いな印象さえ受けるセリフ、喜びに満ちた声のトーン。 (あ、ああ……) 恐怖のあまり、ティーダは座り込んだ。 何が起きたかわからなかった。 彼女が何を言っているのかもわからなかった。 「それにしても……この鞭に、こんな便利な装飾品まであるのに殺されるなんて…… このオジサン、よ~っぽど弱かったのね。 あーあ。オジサンみたいな人がこんな上等なモノ持つなんて、おかしいわよ絶対」 肉片と血のこびりついた鞭を巻き取りながら、少女は言う。 そして――無造作に片足を上げた。 「あたしね……弱いくせに身の程をわきまえない奴が一番嫌いなの」 陶器を砕くような、柔らかい何かを踏み潰すような音が響く。 雲の切れ間から差し込んだ残酷な月明かりが、少女と足元にあるものを照らす。 見たくない、と思った。けれど見えてしまった。見てしまった。 無邪気な微笑み ブーツについた血 地面に降りた片足 どろりと濁ったナニか 飛び散った白い破片 土の上に転がる眼球 草に撥ねた脳漿 赤黒く汚れたナニか―― 「――ッぁああぁぁぁあああああぁぁああああああああああ!!」 彼は叫んだ。悲鳴を上げて走った。少女から逃げるために走り続けた。 彼の存在にようやく気付いた少女が何か叫んでいたけれど、彼の耳には聞こえなかった。聞くだけの余裕もなかった。 ただ、少女から一刻も早く、一メートルでも遠くへ離れたかった。 ――頭に焼きついた光景を、一秒でも早く忘れたかった。 「ひッ……はぁ、はぁ……はぁ……」 どれぐらい走っただろう。 ティーダはようやく我に返り、少女が追ってきていないことを確認して足を止める。 そして適当な木にもたれかかり、ずるずると身体を預けた。 サディスト、人の心がない、イカれてる、悪魔のような――様々な単語が頭に浮かぶ。 「……冗談じゃ、ないッスよ」 人殺しには見えない。そう思った通り、確かに『男を殺した』わけではない。 死体を傷つけただけで、ティーダ自身もエアリスに同じ事をしたのだから、どうこう言う権利もないような気がする。 しかし、しかし、しかし――それでも彼女の行為は異常だ。 死者に対する尊厳の気持ち、道徳心や良心……そういった、人が持つべき精神が存在していないのではないか。 そうでなければ、あんな真似できるはずがない。 ティーダはしばらくうずくまっていたが、やがてよろよろと立ち上がった。 「もうイヤだ……早くスピラかザナルカンドに帰りたいッスよ……」 そんな弱音を吐きながらも、ふらふらと歩き出す。 数十メートルほど歩いて、その足がまたもや止まった。 視界の先に見つけてしまったものが信じられず、呆然と立ち尽くす。 木々の向こうに、俯いている少女がいた。 とんがり帽子を被った栗色の髪の少女がいた。 走って逃げてきたはずなのに、自分が進もうとした先にいた。 そして彼女は彼の方に顔を向けて、何かを呟いていた―― 「……あたしの手で、必ず捕まえる……」 その言葉だけが、やけにはっきりと聞こえた。 それから一体どこをどう走ったのか、ティーダは覚えていない。 恐怖に駆られるまま、悲鳴すら上げられずに走り続けて――気が付いた時には、砂浜にいた。 打ち寄せる波に向けて、真っ直ぐ走っていた。 そのまま海に飛び込んで、水しぶきを上げながら水面に顔を出し、大きく息を吸い込んだ。 そうやって深呼吸を何度か繰り返して、やっと落ち着きを取り戻すことができた。 ティーダはしばらく波間に漂いながら、周囲に人影がないことを確認する。 そして身を隠せそうな岩場を見つけると、海から上がってそこにうずくまった。 夜風の寒さよりも、恐怖心と不安に身を震わせて。 「……ユウナ、リュック……ワッカ、キマリ、ルールー……」 みんな、今ごろどこで何をしているのだろう? そんな思いから、ティーダは仲間達の名前を呼ぶ。 縋る者を求めて、大切な人の名前を呼ぶ。 見知らぬ場所で独りでいることが、誰の助けもないことが、こんなにも心細いものだとは思わなかった。 いや、一度だけこんな気持ちになった時があったような気がする。 そう……あれは初めてスピラに来た時。リュックに会う前、遺跡の中で消えかけた焚き火を見ていた時…… 助けはない、ここがどこかもわからない、死ぬかもしれない、理不尽に…… あの時に似た、そしてあの時よりもはるかに強い不安が、自分の中にある。 「……ミレーユさん、ターニア……」 二人は無事なのだろうか? 叶うなら……二人ともう一度会いたい。敵ではないあの人たちに会いたい。 いいや、彼女たち以外でも……敵でなければ誰でもいい。 ただ、一緒にいてくれるなら。 あの恐ろしい少女に狙われてしまったという恐怖を、少しでも紛らわせてくれる相手なら。 言葉が通じなくてもいい。種族や世界の違いなんて気にしない。 ただ、この孤独と恐怖から遠ざけてくれる……そんな『仲間』が欲しかった。 ――ティーダはついに気付かなかった。 少女が二人いたということに。 もう一人の少女の発言の真意と、彼女と話していた相手の存在に。 「あいつは……もう一人のあたしは、あたしの手で必ず捕まえる。 それがあたしの責任だから……だから二人の気持ちは嬉しいけど、一緒に行くことはできないの」 少女は――アリーナは言った。 木陰に寄りかかっている金髪の女性と、その足元に立つもこもこした魔物に向かって。 「そっか……頼りになる仲間を見っけたと思ったのに。ちょっぴし残念だな~」 「ごめんね」 「仕方ないよ、そういう事情なら。 それよりこっちこそ、偽者の行方わかんなくてごめんね。 あ、でも……ナニか他に、あたし達でも出来そうな事があるなら遠慮なくズバッと言ってよ」 「そうだよアリーナ、ぼくも協力するから!」 「ありがとう……リュック、わたぼう。 ……あの、それじゃあ、一つだけ頼みがあるんだけど」 「ナニナニ?」 「あたしの知り合い……ソロと、ライアンさんと、ミネアと、ピサロと、ロザリーさんって言うんだけど…… その人たちにあったら、偽者のこと伝えて欲しいんだ」 「ふむふむ……えーと、この緑髪の子と、こっちのオジサンと、この紫の髪の人と……」 「この男の人と、こっちの女の人だね?」 「そう。ミネアとピサロは、まだ大丈夫だとは思うけど…… ソロとライアンさんとロザリーは、間違いなくあいつに騙されちゃうと思うから」 「オッケーオッケー。 腕輪を着けてなくて、手袋を着けっぱなしなのが偽者だって伝えればいいんだね?」 「うん。あたしはずっと手袋外しておくから。 それと、あなたたちのことを知らないってことも付け加えておいて」 「りょーかい! 任せといてよ、バシッと見つけてビビッと伝えておくから」 「ほんと、ごめんね。迷惑かけちゃって」 「わたわた、迷惑なんかじゃないよ」 「そーそー。困ってる人を助けるのもカモメ団の役目です! なーんて言ってみたりして。 ……だからね、ホント、アリーナも一人で無理しないでさ。 何か困ったことがあったら相談してよ。あたし達でよければいつでも力になるから」 「ありがとう、二人とも……」 リュック達は気付かなかった。 近くを走っていった青年の存在に。 ティーダは気付かなかった。 自分の勘違いに。 そして、お互いに気付かなかった。 すぐ傍にいた、仲間の存在に―― 【ティーダ 所持品:鋼の剣 青銅の盾 理性の種 ふきとばしの杖〔4〕 首輪×1 第一行動方針:しばらく身を潜めて休息 第二行動方針:レーベに移動し、仲間になってくれる人を探す 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【現在地:レーベ北東の森・海岸】 【アリーナ 所持品:プロテクトリング 行動方針:アリーナ2を止める(殺す)】 【現在地:レーベ南の森(最北部・草原との境目付近)→移動】 【リュック(パラディン) 所持品:バリアントナイフ マジカルスカート クリスタルの小手 刃の鎧 メタルキングの剣 ドレスフィア(パラディン) 【わたぼう 所持品:星降る腕輪 アンブレラ 第一行動方針:アリーナの仲間を探し、アリーナ2のことを伝える 基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す 最終行動方針:アルティミシアを倒す】 【現在地:レーベ南の森(最北部・草原との境目付近)→移動】 【アリーナ2(分身) 所持品:グリンガムの鞭、皆伝の証 第一行動方針:出会う人の隙を突いて殺す、ただしアリーナは殺さない 最終行動方針:勝利する】 【現在地:レーベ南の森(南部)】
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イエローハートの証明 ( 第4話:現れた男 ) 「あれぇ・・・ブッキーん家、留守かなぁ。」 ラブが首を傾げながら、電話を切る。その様子を見て、美希も怪訝そうな顔になった。 「リンクルンじゃなくて、家にかけたの?ラブ。」 「両方だよ。でも、ブッキーは出ないし、お家の電話は留守電になってる。」 「そう・・・。病院にでも行ってるのかしら。」 ぼそぼそと言い合う二人の親友の顔を、せつなも心配そうに見つめた。 三人は、四つ葉町公園のベンチに並んで腰掛けていた。ひとしきり再会を喜んだ後、まずは何をおいても祈里に連絡しなくてはと、ラブが電話をかけたのだ。 公園の若葉は、もう高いところまで上った日の光を受けて、キラキラと輝いている。今のラビリンスにはまだ無い、緑の美しい光景。もっとも今のせつなは、それに見とれている気分ではなかった。 ブッキーは・・・祈里は一体、どうしたのだろう。 だが、ラブの言葉を聞いて、ここへ帰って来た重要な目的を思い出し、せつなは背筋を伸ばした。 「誰も電話に出ないんじゃ、いきなり押しかけるわけにもいかないよね・・・。どうしよっか、せつな。」 「そうね。じゃあ、ブッキーには後で連絡するとして、まずはナケワメーケが現れた現場に連れて行ってもらってもいい?」 せつなの言葉に、ラブと美希の表情も引き締まる。 「わかった。こっちだよ!」 ラブが勢いよく立ち上がり、先に立って走り出す。せつなと美希も、すぐその後に続いた。 イエローハートの証明 ( 第4話:現れた男 ) 「ここだよ。この中で、ナケワメーケが暴れてたの。」 立ち止まったラブに続いて、せつなも囲いの破れ目から、その場所を覗き込む。 何かの建設予定地らしい空地。その隅には、これから組み立てられるのであろう機材が、整然と積み上がっている。しかし、一度きれいに均されたように見える地面には、何か重くて大きなものが落下したかのような凸凹が目立ち、あちらこちらで土がめくれ上がっている。 襲撃の跡が生々しい現場の片隅に、ぽつんと置かれている一台のショベルカー。それを見て、せつながわずかに顔を曇らせる。かつてショベルカーをナキサケーベにして、ラブたちを苦しめたときのことが頭をかすめた。 気を取り直して、ラブと美希に向き直る。 「それで、ナケワメーケの元になったものは、もうここには無いのね?」 「どうやら無いみたいね。このくらいの大きさの、紫色をしたガラスの瓶だったわ。香水を入れて使う物よ。」 美希が囲いの中に目を凝らしてから、親指と人差し指で香水瓶の大きさを示し、せつなのために簡単な説明を加えた。 「そう・・・。」 せつなが土埃の立つ空地を見つめながら、両手を合わせ、その人差し指を唇に当てる。何か考えを巡らせているときや、迷っているときの彼女の癖だ。そんなせつなを、ラブは真剣そのものといった顔つきで、美希は心配そうに眉根を寄せて、じっと見守る。 やがて意を決したように、せつなが顔を上げた。 「実は、二人に話しておかなきゃいけないことがあるの。本当は、ブッキーにも早く知らせなきゃいけないんだけど・・・。」 が、そう言いかけて、せつなはハッとしたように口をつぐんだ。不思議そうに首を傾げるラブと美希の後ろから、バラバラと複数の足音が近づいて来る。 揃いのグレーの制服を着た、十人ほどの大柄な男たち。その真ん中に立つ男が、いかめしい顔つきでじろりと三人を眺め、野太い声で言った。 「何だ?君たちは。ここは立ち入り禁止だよ。一体何をしてるんだ?」 「え、えーっと・・・それはですね・・・」 困った顔で言葉を探す美希。ところがその隣りから、ラブがパッと顔を輝かせて前に進み出た。 「おじさん!おじさんって、去年のトリニティのコンサートのときに、警備員だったおじさんだよね?」 「ん?君は・・・。」 怪訝そうな顔でラブを見つめてから、男がニヤリと笑う。 「思い出した!あの時のお嬢ちゃんか。確か、トリニティのボディガードだっけ?あれは傑作だったよなぁ。はっはっは・・・」 楽しそうに笑う男に、ラブも笑顔で頷く。美希は合点がいった顔で、やれやれ、とため息をつき、せつなはキョトンとして首を傾げた。 そう、あれは去年の七月の、トリニティのコンサートのとき。四人目のプリキュアと目されていたミユキがラビリンスに襲われたときのために、ラブたち三人がボディガードを買って出た。そこで、張り切り過ぎてスパイ顔負けの恰好をしていたラブを、不審者かと思って警備室に連行しそうになったのが、今目の前に居る彼だったのだ。 「それで、今日はどこで警備のお仕事なの?こんなに大勢で。」 「いや、実は昨日、そこの工事現場に化け物が出たって情報があってなぁ。ほら、あのコンサートを滅茶苦茶にしたヤツの、仲間みたいなヤツらしいんだが。」 せつなが辛そうに下を向いたのにも気付かず、男は至極軽い調子で話を続ける。 「あのときはプリキュアが助けてくれたけど、今はもう、この町にはプリキュアは居ないらしくてね。それで俺たちが呼ばれたのさ。」 「おじさんたちが?え・・・まさか、おじさんたちで倒すつもりなの?ナケ・・・ううん、あの化け物を!」 驚きと心配で、ラブが目を大きく見開いたとき。 「ちょっと待って下さい。困りますよ、町の人たちを不安がらせるようなことをおっしゃっては。」 大男たちの後ろから、新たな声が聞こえた。 「え?この声って・・・。」 美希が意外そうに呟くそばから、男たちが左右に分かれて、さっと道を開ける。 悠々とそこを歩いてきたのは、ひょろりとした長身に、黒縁の眼鏡をかけた色白の少年――。 「やあ、皆さん。あ、東さん!お久しぶりです。」 四つ葉中学校三年生、御子柴健人が、少し照れたような表情で、三人に向かってぴょこんと頭を下げた。 「健人君!どうしてここに?それに、このおじさんたちって・・・」 勢い込んで問いかけるラブを押しとどめて、健人が後ろに控えている男たちを下がらせる。そして、こちらの話し声が聞こえない距離まで彼らが離れたのを確認してから、もう一度三人の方に向き直った。 「皆さんも、あの化け物の話を聞いて、現場を見に来られたんですか。あれ?でも、今日は山吹さんはご一緒じゃないんですね。」 「ブッキーは、体調が悪いらしくって・・・。それよりさ、あのおじさんが言ってたことって本当なの?」 「ああ、あの方たちは、僕がお願いして来て頂いたんです。人々の安全を守るプロですし、武道の心得もある方たちですから。」 ラブの問いに、健人が事もなげに答える。 「じゃあ、やっぱりあのおじさんたちで、ナケワメーケを!?」 「無茶よっ!あの化け物は、普通の人間が太刀打ちできるような相手じゃないわ!」 色めき立つラブと美希。が、健人はそれにもまるで動じる風がない。 「お二人とも、落ち着いて下さい。まさかそんなこと、僕も考えてはいませんよ。 あの方たちの役目は、あの化け物の謎を解く手掛かりを探すこと。そして万が一、また化け物が現れたら、町の人たちを安全に避難させること。それだけです。」 「じゃあ、もしまた怪物が現れても、それを倒そうだなんて思ってはいないのね?」 今まで黙って三人のやり取りを聞いていたせつなが、静かに口を開く。健人は、三人の顔を順繰りに眺めてから、薄い胸を精一杯張って一言、こう答えた。 「いいえ。」 「ええ~っ!?」 「だからっ!さっきも言ったように・・・」 「桃園さん、蒼乃さん。御子柴グループを侮ってもらっては困ります。」 再び健人に詰め寄ろうとしたラブと美希は、珍しく自信たっぷりのその言葉に、思わず口を開けたままで健人の顔を見つめた。 「御子柴グループは、家電製品だけじゃない、実に様々なものを手掛けているんです。それは皆さんも、ご存知ですよね?」 「それは、怪物を倒せるような武器も手掛けているってこと?」 「いや、東さん、そんなことは・・・。でも、武器と名の付く物は無くても、科学の力であの化け物を退治する手段はあるはずです。今、うちの優秀な研究者たちが、検討を始めています。」 うっすらと笑みさえ浮かべながらそう言い切る健人に、せつなが厳しい目を向ける。 「もし、その怪物がナケワメーケだったとしたら・・・侮っているのはあなたの方よ。ナケワメーケは、ただ物理的に倒せばいいという相手じゃないの。危険過ぎるわ。」 「ならば、またプリキュアが戦ってくれるんですか?皆さんは、もうプリキュアにはなれないんですよね?」 健人の方も一歩も引かずに、そう言ってせつなを睨むように見つめる。もっとも、その眼光にあまり迫力は無かったが、せつなは一瞬、言葉に詰まった。それを見て、健人が勝ち誇ったように、さっきの薄ら笑いを浮かべる。 「だったら皆さんも、今はただの一般人です。ここは僕に任せて、もうこの場所には近付かないで下さい。」 「何言ってるのよ!」 美希が思わず苛立たしげに叫んだ、その時。 「ねぇ・・・どうしちゃったの?」 心配そうに震える声が、今にも衝突しそうな三人の間に割って入った。 ラブが、瞳をわななかせながら、健人に一歩近づく。 「今日の健人君、なんかヘンだよ。なんか・・・いつもと違って、凄く無理してるみたい。ねぇ、何があったの?」 「そ、それは・・・四つ葉町にまた怪物が現れた、非常事態だからですよ。」 今まで滑稽なくらいにぴんと伸ばしていた健人の背中から、その瞬間、ふっと力が抜けた。眼鏡の奥の小さな目が、落着きなく揺れる。 が、それも一瞬。 「ねぇ、大輔たちは?このこと、知ってるの?」 ラブのこの言葉に、健人は再び背筋を伸ばすと、ぐっと拳を握った。 「大輔君たちには、関係のないことです。」 「そんな、関係ないって・・・。」 ますます心配そうなラブの声に、耳を塞ぐようにかぶりを振ってから、健人は自分に言い聞かせるように呟く。 「僕は・・・御子柴グループの後継者です。大切なこの町の人たちは、僕が守ってみせます!」 「こんな風に一人で無理して、みんなを守ることなんて出来ないよっ!」 「皆さん!」 ラブの叫び声を無視して、健人が後ろに控えている男たちを振り返る。 「話は終わりました。調査の間、現場に一般の方が近付かないように、警備を厳重にして下さい。それから、ここに居る一般人の方々には、速やかにお帰り願って下さい。」 「健人君!」 「ちょっと!話はまだ終わってないわよ!」 「待って!話を聞いて。本当に危険なのよ!」 呼びかける三人に答えることなく背を向けると、健人は男たちの間の道を、今度は一目散に駆け去った。 追いかけようとするラブの肩を、さっきの警備員が素早く抑える。 「そういうことだ。御子柴の坊ちゃんの言う通り、ここは危ないから、早く帰りなさい。」 「おじさん、離して!健人君と話をしなきゃいけないんだから!」 「おお、分かった。じゃあ、もうここへは来ないと約束してくれるな?」 「それは・・・。」 ラブが困ったように俯いた、その途端。警備員が息を呑む気配がして、ラブの肩に置かれた手が離れた。 「おい。こいつに何をしているのだ?」 突然、すぐ隣りから聞こえてきた声に、今度はラブが驚いて顔を上げる。 いつの間に現れたのか、一人の男がラブの隣りに立ち、腕組みをして警備員たちを見回している。 くたびれたアイスブルーのジーンズに、黒い長袖シャツ。鮮やかなオレンジ色のダウンベストに、さらに明るい黄金色の髪――。 「ウエスタ・・・あ、あわわ、は、隼人さん!」 「よぉ。」 ラブの頭を、ぽん、と軽く叩いてニヤリと笑ってみせたのは、西隼人――元・ラビリンス幹部ウエスターの、この世界での姿だった。 「何だ、君は。」 さっきの警備員が、警戒心も露わに問いかける。 「こいつらの知り合いの者だ。警察・・・ではなさそうだが、こいつらが何かしたのか?」 「いや。お嬢ちゃんたちが危険な現場を覗いていたんで、注意しただけだ。」 「ああそうか。すまん。こいつらはどうも、危険を顧みないタチでな。俺からも、よく注意しておこう。」 「ちょっと!何言ってるのよ!」 せつなが小声で文句を言うのもどこ吹く風で、人懐っこい笑顔になった隼人に、警備員が警戒を解く。が、彼がくるりと踵を返し、当の現場に向かってスタスタと歩き始めたのを見て、慌てて声をかけた。 「おい、どこへ行く。」 「なるほど、現場っていうのはここか。ちょっと邪魔するぞ。」 「あ、こら待て。おい!」 隼人は大きな身体を器用に折り曲げて、囲いの破れ目から空地の中へと入っていく。そんな彼を、一度は猛然と追いかけようとした警備員が、急に足を止めた。 優秀な警備員で、武道においても相当な実力者。そんな彼だからこそ、隼人が空地に入った途端、その大きな背中がさらに大きくなったように見えたのだ。 鍛え上げられた筋肉をまとった長身から、殺気にも似た強烈な気が立ち上る。警備員はただ圧倒されて、必死で身構えながら、その背中を睨み付けることしか出来なかった。そんな彼の目の前で、隼人は空地の真ん中に立ち、しばらく辺りを見回した後に、またさっきの破れ目からひょいと通りに戻って来た。 「ここにはもう、何も残ってはいないようだ。邪魔したな。」 穏やかな声で警備員にそう言うと、隼人はラブたち三人に目配せして、先に立って歩き出した。 「あ、ちょっと・・・おじさん、さよなら!」 ラブが慌てて後を追い、美希とせつなもそれに続く。 やがて、警備員たちからその姿が見えなくなってから、隼人はくるりと振り返ると、いつもの能天気そのものの笑顔で、実に嬉しそうに言った。 「久しぶりだなぁ。キュアピーチ、キュアベリー、イース!」 「もうっ!その名前で呼ばないでよ!!!」 少女たちに声を揃えて非難され、彼は冷や汗を浮かべながら、あはは・・・と力なく頭を掻いた。 ☆ 「それで、念のために聞くけど、あれはあなたが生み出したものでは無いのね?」 鋭い眼差しを向けるせつなに、隼人が大いに不満そうな顔をする。 「俺のわけないだろう!大体、このところ地方を駆けずり回っていて、お前やサウラーにすら滅多に会わないじゃないか。こっちに来るヒマなど、あるものか。」 そう言ってドーナツを口に放り込んだ途端、隼人の厳めしい顔が、みるみる幸せそうに緩む。その様子を苦笑気味に眺めながら、どうやら嘘をついてはいないようだと、せつなは内心ホッとした。 ここは、カオルちゃんのドーナツ・カフェ。テーブルの上に置かれている山盛りドーナツは、既に二皿目だ。 そして今日のドーナツは、久しぶりに店にやって来た「クローバーの四人目のお嬢ちゃん」と「ラビリンスの兄弟」への、カオルちゃんの歓迎の気持ちだった。 「だとすると、あの黄色いダイヤは一体何なのかな。ねぇ隼人さん、何か心当たりは無いの?」 「サウラーにもそう言われて、ずっと考えているんだが・・・。残念ながら、何も思い浮かばないな。」 ラブの問いに、緩んでいた隼人の顔が、さすがに引き締まる。 「そっか・・・。まさか、誰かにダイヤを渡した、なんてこともないわよね?」 「渡したって、この世界の人間にか?何のために?俺が言うのもなんだが、そんなの危険過ぎるだろう。」 「え?どういうこと?」 美希の問いに事もなげに答えた隼人に、ラブと美希が不思議そうに問いかける。それを聞いて、隼人は驚いた顔をせつなに向けた。 せつなは、そちらをちらりと眺めてから、二人の親友を正面から見つめる。 「さっき話そうとしたのは、そのことなの。ナケワメーケを生み出す、ダイヤの力のことよ。」 せつなはそう言って少し考えてから、よどみのない口調で話し始めた。 「あのダイヤは、素材の持つ力を増幅させてナケワメーケを作り出すことで、不幸のエネルギーを集めるためのもの。そして実はダイヤ自身も、周囲に災いをまき散らして、不幸にする力を持っているの。」 「え・・・ナケワメーケに、ならなくても?」 「ええ。威力は小さいけれど、近くにいると不幸に見舞われるおそれがあるって聞いたわ。だから、使うときには直前に召喚するようにって言われていたの。まあもう一つの理由は、そんな危険なダイヤを持っているときに攻撃されるのが、一番危ないからだけどね。」 テーブルに目を落として、静かに語るせつなの言葉に、ラブと美希が真剣な表情で聞き入る。 「確かに危険ね。そういうことなら、隼人さんが言うことも分かるわ。」 美希がそう言うと、ポカンとしてせつなの顔を見ていた隼人が、夢から覚めたように頷いた。 「あ・・・ああ。それに、この町の人間たちの手に渡ったら、俺たちが扱うよりもっと危険だ。 あの頃、俺たちは不幸を集めていた癖に、不幸がどんなものだかよく知らなかった。そんな怖いもの知らずの人間より、幸せや不幸をよく知っているこの町の人たちの方が、より大きな不幸に見舞われてしまうかもしれないからな。」 隼人は淡々とそう言ってから、もう一度せつなの顔をじっと見つめた。 「それよりイース。お前・・・そのこと、ラブたちに話していなかったんだな。」 低い声で唸るように呟く隼人に、せつなは何も答えず、黙ってテーブルの上のオレンジジュースに手を伸ばす。 きっと、あまりの手ぬるさに呆れているんだろうな、とせつなは思った。この情報は、言わばナケワメーケで戦う場合の、ラビリンスの弱みとも言える情報だ。隼人は――いや、ウエスターはおそらく、プリキュアが当然この情報を知っているものだと思っていたのだろう。 ウエスターもサウラーも、イースがプリキュアになったとき、ラビリンスの手の内は全てプリキュアの手に渡ったと思ったはずだ。だが実際は、ラブも美希も祈里も、ラビリンスのことを何一つ、せつなに聞いてはこなかった。 理由は簡単。イースだった頃の行いを悔い、悩んでいるせつなに、これ以上辛い思いをさせたくはなかったからだ。 ラビリンスと戦う戦士としては、あまりにも甘い考えだったと思う。だが、三人の優しさに甘え、不幸のゲージの存在すら、ゲージが満タンになる寸前にしか明かせなかった自分が一番甘かったと、今振り返って、せつなはそう思う。 隼人は、それについてはもう何も言わず、黙って次のドーナツを口に運んだ。 「う~ん、それならあのナケワメーケって、一体何なんだろう・・・。」 ラブが、とてもこの世界を救った戦士とは思えないような、テーブルの上に顎をのせた行儀の悪い姿勢で、ぶぅっと頬を膨らませる。 「とにかく、早く真相を突き止める必要があるわよね。ダイヤがあれ一つだけじゃなくて、もしまだこの町に別のダイヤがあったりしたら・・・。」 「ええ。もしそうなら、あの警備員さんたちが見つける前に何とかしないと、厄介なことになるかもしれないわ。」 「そっか、そうだよね。今日の健人君の様子も気になるし・・・。この事件が解決したら、きっとゆっくり話も聞かせてもらえるよね。」 三人の少女の会話に、隼人も空になった皿を片付けながら加わる。 「明日、俺も町中をくまなく探してみることにしよう。もしもまだダイヤがあれば、俺ならば気配を感じ取れるはずだからな。」 隼人の話では、あの空地にはもうダイヤの気配は残っていなかったらしい。それどころか、この町に来てから、隼人はまだ何の気配も感じていないという。サウラーがこの町に何らかの反応を認めているというのに、それが少々、気味の悪い話でもあった。 四人は、それからしばらく明日の作戦会議を行ったものの、結局、町の人たちから情報を集めながら、丹念に手掛かりを探す、という以外の妙案は浮かばなかった。 事件の真相は、まだまだ深い闇の中にあって、光は見えない。そういうときは、今自分たちに出来ることをやるしかないだろう。 ドーナツ・ワゴンの中で、カオルちゃんが鼻歌を歌いながら、三皿目のドーナツを積み上げている。ワゴンの窓の向こうには、春には珍しいほどの美しい夕焼けが空一面に広がって、四人の横顔を照らしていた。 ~第4話・終~ 小さな手がかり(前編)へ